書籍詳細
マーケティングのナレッジ
「こんなことも知らないのか」と言われないために…仕事ができる人の知恵⇒それがナレッジ
マーケティング学(アメリカでは学問として大学で教えています)は生産、経理などと違って、ルールやあるべき姿が決まっているわけではなく、「マーケティングにうまくいった企業」の「うまくいった理由」を分析するというもので、まさに歴史学といえます。歴史は過去のことですので、それを伝える人の解釈が必ず入ります(日本と中国がもめているのもこの点です)。ビジネスマンが学習すべきマーケティングは、歴史について特定の人の意見だけという偏りがあってはならず、冷静に事実を体系化したものが必要です。
そこで書店でこういった本を探してみたのですが見当たりません。あるのは次の2つです。
1つは特定の人(コトラーが圧倒的に多い)が特定の地域(アメリカ)でのマーケティング事例を体系化し、こうすればうまくいく(正確にいうとうまくいった)というものです。そしてあっと驚くほどの厚さで「本気でプロのマーケターになる人以外は読むな」という意気込みです。
もう1つはマーケティングの成功事例集です。これには色々な企業が記されているのですが、企業単位に成功の秘訣があって、それらは体系化がされていません。「その企業がうまくいった事実と理由は書くから、あとは自分で考えろ」という投げやりな感じがします。
本書はこの2つの問題点をクリアしようと思って書いたものであり、広く一般ビジネスマンに読んで欲しいマーケティングの「教科書」です。ビジネスマンがこの教科書によって、過去に他社が行ってきたマーケティング努力を体系的に理解し、偏りのないナレッジを得ることが目的です。このナレッジを使って職場でマーケティングについての話がなされ、各企業のユニークなマーケティングモデルが生まれることを期待しています。
目次
- 第1章:マーケティングに生い立ち
- テーマ 1:マーケティングって何?
- テーマ 2:戦略とシステム
- テーマ 3:ミッションとビジョン
- テーマ 4:バランスをとる
- テーマ 5:成功シーンを描く
- 【coffee break】1.日本的マーケティング
- 第2章:ライバルと戦う
- テーマ 6:ランチェスターさんのアイデア
- テーマ 7:ポーターさんのアイデア
- テーマ 8:マーケティングの神様コトラー
- テーマ 9:アンゾフさんのアイデア
- テーマ10:なぜ多角化するのか
- テーマ11:力で勝つ
- テーマ12:戦わないで手を組む
- テーマ13:横に組むか縦に組むか
- 【coffee break】2.マーケティングゲーム
- 第3章:戦争をやめて客を見る
- テーマ14:マーケットを分ける
- テーマ15:地域に分ける
- テーマ16:客を分ける
- テーマ17:常連客を見つける
- テーマ18:客を知る
- テーマ19:毎日来る客がよい客
- テーマ20:得意客との関係を大切にする
- 【coffee break】3.リスクマーケティング
- 第4章:マーケティングを計画する
- テーマ21:いつもうけるか
- テーマ22:ブランドを売る
- テーマ23:高く売る?安く売る?
- テーマ24:値段の決め方
- テーマ25:売るルートを作る
- テーマ26:作ると売るの中間
- テーマ27:「買う」と決めるまで
- テーマ28:買い方は人によって違う
- テーマ29:買い方は企業によって違う
- テーマ30:押すか、引くか
- 【coffee break】4.テレビコマーシャル
- 第5章:マーケティングを実行する
- テーマ31:顧客単位にグルーピング
- テーマ32:売るサイドの意見を優先
- テーマ33:戦略をカードに
- テーマ34:知りたいことは無限
- テーマ35:できる人の情報
- テーマ36:情報を使う仕組
- 【coffee break】5.マーケティングは実験
概要
- マーケティングのナレッジ
- 初 版 :2005年5月
- 発行所:同友館
- 価 格 :1,000円+税